SlerとWeb系のリリースに対する価値観はここが違う

こんにちはMIYACHIN(@_38ch)です。

この記事では、Sler系企業とWeb系企業のシステム・アプリのリリースに対する価値観の違いを書いていきたいと思います。

参考までに僕は、大学生の時にWeb系のスタートアップで2年間、ディレクター・エンジニアを経験したのちに、大手IT企業(toB)にエンジニアとして新卒入社して、3年間働いているので、それなりに、Web系とSIerの働き方・価値観の違いはわかるのかなと思ってます。

ただ、SIer、Web系と言っても多種多様な企業が存在するので、今回は、

  • SIer → toBの受託開発をしている企業
  • Web系 → toCで自社サービスを開発している企業

と考えていただけると助かります。

結論から言うと、

  • SIerはリリース後に投資される金額が少なくなる。安定稼働のための保守運用フェーズに入る
  • Web系はリリースしてからが本番。ユーザーのフィードバックを元にプロダクトを改善していく

この記事の内容

  1. SIerのリリースまでの段取り
  2. Web系のリリースまでの段取り
  3. リリース後のアクションの違い
  4. SIer、Web系で身に付くスキル

SIerのリリースまでの段取り

まず、SIerのリリースまでの道のりを考えてみます。一般的な流れはこんな感じかと思います。

  1. クライアントへ提案
  2. 案件受注
  3. 要件定義
  4. 設計
  5. 開発
  6. テスト
  7. リリース

大まかにはこの流れが一般的ですね。この流れは、いわゆる「ウォーターフォール」的な開発ですが、最近は「アジャイル」という、要件定義・設計・開発・テストを短いサイクルで何回も回すという手法も流行っています。

実際には、アジャイルもどきでカッコつけている案件がほとんどなような気がしますが・・

案件の規模はピンキリで、小規模なツールであれば、数百万から数千万でリリースまでは、半年から数年、金融機関向けの基幹システムとかであれば、普通に数十億とかっていうレベルで受注からリリースまでに15年とかっていう案件もあります。

Web系のリリースまでの段取り

一方でWeb系の企業は、より小さな単位でリリースするためSIerよりはスピードが速い傾向にあるかと思います。

流れとしては、あまり変わらず、

  1. 要件定義(Web系ではあまり要件定義という言葉は使わないですが)
  2. 設計
  3. 開発
  4. テスト
  5. リリース

自社サービスを作っている場合は、クライアントの都合に依存せずに、完全に自社の中でPDCAを回せるので、アジャイル的に1から4のサイクルを回しやすいです。

また、プロジェクトの規模もSIerと比較して、圧倒的に小さい規模から始まることが多いです。そのため、コミュニケーションは円滑に進めやすいですが、ファーストリリースで大きなものを作ることは難しいです。

リリース後のアクションの違い

それでは、SIer・Web系、両者のリリース後の傾向について考えていきます。

まず、SIerはリリースしてすぐ、ユーザーが便利に使えるように、かなりの時間を割いて準備をします。

その一方で、Web系は、最初のリリースは必要最低限なもの、足りない部分はユーザーの声を元に、改善していくという、いわゆる「リーン・スタートアップ」というアプローチを取っている企業が多いかと思われます。

SIerでは、ファーストリリースまでの開発に多くの投資がなされ、その後は、安定稼働のための保守運用、もしくは、報告されたバグの対応がメインになってきます。

ATMは正常に動くことが最優先される

特にATMなどの金融系のシステムは、より便利な機能を追加することも大事ですが、「正常に動くこと」が最優先され、UIが頻繁に改善されることはありえないです。

なぜなら、UIを改善するにしても、膨大な量のテストをこなさなければならず、そこには、数億数十億という人件費が必要だからです。

Webサービスは身軽なので動きやすい

それに対し、Web系のサービスは、ファーストリリース時点では、以下のような条件化にあるため積極的に改善・改修を進めていくことができます。

  • サービスが停止しても、国民の生活が致命的に不便にはならない
  • サービスが停止しても、クライアント企業に対して、数億数十億レベルの損失を与えることはない

おそらくどちらのアプローチも一長一短があるので、どういう環境で働きたいかは個々人の性格次第だと思います。

SIer、Web系で身に付くスキル

SIer、Web系の両者では、プロジェクトの運び方が異なるので、もちろん身に付くスキルは異なってきます。以下にその違いをまとめてみました。

SIer

  • リソースマネジメント(比較的大規模)
  • スケジュールマネジメント
  • クライアントとのコミュニケーション(要件合意・進捗報告)
  • ドキュメンテーション

Web系

  • リソースマネジメント(比較的小規模)
  • ユーザーヒアリング
  • リリースマネジメント(迅速に何度もリリースする必要がある)

※ プログラミング言語とかのハードスキルは除外しています。

SNS界隈では、SIerがブラックでWebは自由で華やかみたいな話をよく聞きますが、立ち回り次第では、SIerでも自由で高い給料をもらえたりするので、偏見を持たずにキャリアを選んでいけば良いと思います。